「文系人が知っておくべき数学の話」のレビュー

概要

「文系人が知っておくべき数学の話」は、著者の小林崇氏による数学解説書である。数学が苦手な文系の人々に、数学の美しさや興味深さを伝えることを目的としている。本書では、高校数学から初等解析までをカバーし、数学が日常生活にどのように関係しているかを鮮やかな例題で紹介している。

章立て

本書は、以下の7つの章からなる。

第1章 基本の考えかた

数学の基礎的な考え方、証明方法、集合論や数列、極限などの解説がされている。

第2章 日常生活の中の数学

複利計算、確率、統計学、グラフ理論など、身近にある数学がどう生かされているかを紹介している。

第3章 図形と距離

円周率のひみつ、3次元空間の凸包や最短経路、測地線など、図形と距離について解説がされている。

第4章 微分と積分

微分と積分といった初等解析について解説がされている。具体的には、行列計算、関数極値、面積計算、微分方程式などが扱われる。

第5章 微分と積分の応用

最適解探索、一次近似、微分方程式の応用など、微分と積分の応用について深く掘り下げている。

第6章 組合せ論

数え上げ法、グラフの彩色、同型判定、エルゴード理論など、出題されることが少ない組合せ論について探求する。

第7章 今後の展開

数学の発展予想、未解決問題、最新研究など、数学のまだ見ぬ分野について考察している。

感想

数学が苦手な文系の私にとって、本書は非常に分かりやすく、かつ興味深く書かれていた。特に、日常生活にどのように数学が生かされているかを紹介した第2章は、目からウロコが落ちる思いがした。また、数学の美しさと興味深さが非常によく伝わってきた。一方で、組合せ論やエルゴード理論といった難しい内容については、さすがについていくのが厳しかった。しかし、それらの内容の示す深さや面白さについて、本書からインスピレーションを受けることができた。

まとめ

「文系人が知っておくべき数学の話」は、数学が苦手な人でも楽しく学習することができる一冊である。日常生活にどのように数学が生かされているかを知ることで、身近なものに違和感なく触れられるようになる。一方、中には難解な内容が含まれるため、初学者には難しいかもしれない。しかし、その深さから数学の魅力に触れることができる。全般的に非常に良心的な解説書である。


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