概要
この書籍は、明治天皇の料理番であった田尻真が、明治時代から昭和初期にかけての食文化について、その当時の食材や調理法、食器使用など、詳しく伝えてくれる書籍です。料理だけでなく、日本の文化や歴史にも触れられている内容になっています。
著者について
本書の著者である佐藤良宜氏は、ファッションデザイナーとして活躍する傍ら、日本の伝統文化にも造詣が深く、日本筆芸家協会の師範でもあります。田尻真の名前を初めて知ったのは、佐藤氏が書かれた記事を読んでからだったということで、本書の執筆に至った経緯も興味深く読ませていただきました。
内容
本書は、前半部分が田尻真の生涯や、彼が食文化に興味を持ち、これを保存するために執筆した手稿の紹介、後半部分が彼の手稿から抜粋された食文化に関するエピソードや料理のレシピ、食器使用法などについて詳述されています。
特に印象的だったのは、明治時代の日本においては、洋風料理が高級であるという時代背景があったが、田尻真は日本独自の風味を生かした和風料理に独自のこだわりを持っていたという点です。また、その料理を提供するために使用される器についての描写も、とても興味深く読み進めていきました。
まとめ
本書は、日本の食文化に興味を持つ方には必読の書籍だと思います。特に、田尻真が手稿に残した和洋折衷のレシピや、日本文化に関する部分は、料理以外にも興味深い内容が盛り込まれています。また、佐藤氏による解説も、読みやすく、一気に本書の世界に引き込まれました。料理本としてだけでなく、文化書としても楽しめる素晴らしい書籍でした。
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