作品概要
太宰治の代表作である「人間失格」は、主人公である広司の孤独や自己嫌悪が描かれた小説である。広司は仕事もせず、女遊びと酒に明け暮れる日々を送っていたが、自分が生きている意味や自分自身への嫌悪感を感じ、徐々に自堕落な生活に嫌気が差し始める。そして、自らの生き方に絶望し、人間失格として自らの生命を絶つ。
感想
本作はとても深い哲学的内容が詰まっている作品だと思う。広司の孤独や自己嫌悪は共感する人も多いのではないだろうか。また、広司が生きる上で必要なものが何かを問うている点も興味深い。
一方で、広司の自己中心的で自堕落な生活は、読者からは不快感を抱かせる部分もある。また、広司が自分自身への嫌悪感を感じているが、それを打開するために何か行動を起こさなかったことや、結局自殺を選んでしまった点に少し物足りなさを感じた。
しかし、太宰治の描く世界観や哲学的な問いかけに興味がある人にはぜひ読んでほしい一冊だと思う。
評価
評価：４／５
参考文献
太宰治 『人間失格』 新潮文庫, 2016.
コメントを残す