「銃」について考えるための入門書「銃社会論」レビュー

この本について

「銃社会論」は銃に関する社会学的考察を行った入門書です。著者は社会学者のヤスミコ・モリ。彼女は、アメリカの銃乱射事件という深刻な社会問題を取り上げつつ、銃が何故「社会」につながっているかを説明しています。

本書は、主にアメリカの銃乱射事件を題材に、銃に関する社会学的な観点からの分析を行っています。また、銃を取り巻く法律、歴史的背景、メディアの影響力、文化的な意味なども考察しています。

モリは最初に、銃の普及率や銃を所有している人々の特徴などを紹介し、銃社会の実態を解説しています。そして、銃と暴力との関係や、銃が持つ権力の象徴的な意味、また銃をめぐる神話や文化的な解釈など、深い文化的な背景を分析します。

「銃社会論」では、アメリカの銃乱射事件に限らず、銃の問題がもつ深刻さや、その原因を深く考察することができます。また、著者自身が銃乱射事件に遭遇した経験があり、その体験談も挟まれているため、とてもリアルで胸に迫る内容となっています。

ただし、社会学的な用語が多く出てきたり、深い内容が多いため、一般的な読者には少々難しいかもしれません。ある程度社会学的な知識がある人におすすめです。

「銃社会論」は、銃についての深い社会学的な観点からの分析を行った入門書です。銃乱射事件を踏まえた、銃がめぐる法律や文化、歴史的背景を解説している。深い内容が多いが、銃問題に関心がある方や社会学的な知識がある人にはおすすめの一冊です。