『1Q84』

概要

『1Q84』は、村上春樹による長編小説で、2009年から2010年にかけて、3冊に分けて刊行されました。作品のジャンルは「SFファンタジー」とされ、同時代を生きる二人の主人公の視点から、異次元世界を舞台に展開する壮大なストーリーになっています。

『1Q84』は、東京に住む平穏な日常を送る、主人公の一人である「青豆」こと、久留米出身の空中物流会社「豆腐屋」のアルバイト、芳子の物語から始まります。彼女は、ある日、創作物を見て、20年前に行方不明となった妹に瓜二つの女性が登場したことを知り、事件の真相を追う中で、青豆と出会います。

そして、もう一人の主人公である、「彫琴」こと、小説家の桐原が登場し、異次元世界や宗教、愛、セックス、対立、人間の可能性など、多彩なテーマを取り扱いながら、ストーリーが進んでいきます。

『1Q84』は、村上春樹が描く他の作品と同様に、経験と現実をしっかりと明確に描写しています。目の前に広がる「世界」という存在を切り取り、そこにある「もの」たちとの関係性をすべて細やかに表現し、読者の感情に訴えかけていきます。

また、青豆や彫琴を始め、登場する多くの人物たちは、誰もが立派な「主人公」になれる人物です。そのため、複数の主人公たちが、異なる視点で物語を語ることで、作中の事件や出来事が、より奥深くなっています。

長編小説となっているため、時間をかけてゆっくり読むことが望ましいですが、必ずや満足が得られると思います。

参考文献：村上春樹 (2009) 1Q84, 新潮社.