ハルキ・ムラカミ 著
この小説は、現代日本を舞台に、平行世界と現実世界が混ざり合う不思議な物語です。主人公の事崎麿は、出版社で働く編集者として、ある作家の原稿を手がけています。そして、ある日突然、自分が違う世界にいることに気がつきます。そこでは、月が2つあったり、羊を崇拝するカルト教団が存在したりする奇妙な世界です。
ムラカミの独特な文体は、読む側を夢中にさせる魅力があります。また、同時代に存在する別の世界、つまり『1984』と『1Q84』が重なり合う描写には、興味深さがありました。そして、物語の結末に関しては、様々な解釈ができるところも面白いと思いました。
ただ、時折「これから何が起こるか?」というサスペンス的な展開を期待しながら読んでしまったため、「あれ?もう終わり?」という感覚があったのが残念でした。また、時々訳にくい文体があったのも少し疲れます。
とはいえ、個性的な世界観と魅力的な登場人物たちが、物語を盛り上げているのは確か。時間をかけて読んでいく価値があると思います。
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