『謎解きはディナーのあとで』のレビュー

ストーリー概要

本作は、天才探偵の香川京子が主人公のミステリー小説である。物語は、京子が古い屋敷で開かれるディナーパーティーに招待されるところから始まる。しかし、パーティーが終わり屋敷を出ようとすると、外で一人の男性が刺殺されているのを発見する。京子はその事件をきっかけに、参加していた全員が嫌疑をかけられる中、真相を解き明かすために奔走する。

キャラクター紹介

香川京子は、天才的な知能を持ちながらも、自分勝手で多少扱いにくいところがある。事件に対しては、熱心に真相を追求する一方で、周囲を挑発する発言も連発するため、他のキャラクターからは時に好き嫌いが分かれる。

パーティーに参加していた人たちも、それぞれに性格が異なる。事件の被害者である男性は、どこかぼんやりとした感じの漂う人物で、彼の婚約者である女性は常に表情が強張っている。また、主催者である老婦人も毒舌家であり、参加者たちをからかいながら彼らに課題を与えている。

評価

本書は、従来のミステリー小説とは異なり、事件そのものよりも参加者たちの心理描写が中心となっている。そのため、事件が発生するまでのページ数が非常に多く、読者は少々退屈するかもしれない。また、事件の解決に至るまでの過程も、一筋縄ではいかない展開が続くため、読者は緊張感を保ちながら物語を追うことができる。

香川京子は、天才探偵という設定に反して、多少ズレたキャラクターであるため、「好き嫌いが分かれる作品」と言えるかもしれない。しかし、彼女の精神状態や推理過程は、読者にとって興味深いものとなっている。

まとめ

本書は、探偵役のキャラクターに少々独特なものがあるが、物語の緊張感と読者の推理力を要求する展開が楽しめる、おすすめのミステリー小説である。