書籍レビュー:「東京奇譚集」

概要

「東京奇譚集」は、日本の現代怪奇小説家・南條竹則による中編小説集である。2021年に出版された本書には、謎の少女出現事件を扱った「夜光の少女」「百合子の場合」、オカルト研究会に所属する高校生たちが巻き込まれた事件を描いた「ユレスティア」、上京したばかりの主人公が魔女の力によって振り回される「クロネコの部屋」の3つの作品が収録されている。

感想

本書は、都市伝説風のストーリーが多く、読む者をワクワクさせる展開が魅力的だった。特に「夜光の少女」は、世間から忘れ去られているような不思議な出来事を、主人公が調査するうちに真相が明らかになっていく様が興味深かった。また、「クロネコの部屋」では、魔女に魅了された主人公と彼女の関係がどのように描かれるのか、先が気になって一気に読み進めてしまった。

南條竹則の筆致にも魅了された。物語の進行に必要な情報だけを味付けのように振りかけるような文章が特徴的で、読者にとって余韻が残る結末が多かった。また、現在の東京を舞台にした作品なので、自分が普段生活する場所にも緊張感を持って読むことができた。

全体的に、怖さと不思議さが混在するストーリー展開と、独特な文章表現が印象的な一冊であった。南條竹則の作品に興味がある方、現代の都市伝説に興味がある方には特におすすめしたい。

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