書籍名：『ノルウェイの森』

概要

『ノルウェイの森』は、村上春樹が1987年に発表した小説である。主人公の渡辺健一が、大学時代に出会った2人の女性、船木と直子との関係を描いた青春小説である。

物語は、東京の町田市に住む20歳の大学生・渡辺健一が、友人の長谷川とともに20歳で失踪した友人・キズキについて思いを馳せるシーンから始まる。健一はキズキの死を知り、その出来事以来、自分自身と向き合うことができないまま、大学を中退して青森県の津軽地方にある森林業のアルバイトに行くことを決意する。

アルバイト先で出会った直子と船木という2人の女性との出会いを通じて、健一自身の内面と向き合い、過去の出来事について考えるようになる。直子との出会いは、彼女がキズキの恋人であったことがきっかけである。一方、船木は健一と親密になり、交際関係に至る。

しかし、健一が向き合わなければならない問題は、殺人事件の被告人としてキズキが指名されたことである。事件についての真相は謎に包まれたままであり、健一は自分自身に向き合いつつ、被告人となったキズキがどのような状況にあったのかを考えることになる。

本書は、青春小説として、また、人間の内面に向き合った作品として非常に魅力的である。村上春樹特有の独特の文体も、本書においては引き立っていると感じた。また、本書は20世紀において、日本の社会において起きた様々な出来事と重なり合い、物語が進んでいく点も、読者に深い感銘を与えるに違いない。