『東京タワー』レビュー

一言

この小説は、家族のあり方や愛情、生き方を考えさせる本格的な感動作品である。

あらすじ

子供のころから父親に虐待を受け、家を出てからは違う男性と決まって別れ、子育てに四苦八苦するキリ(38歳)。そんな彼女に手を差し伸べてくれたのは、とあるラブホテル玄関先で見かけた男・又市(62歳)だった。二人はまもなく結婚し、新しい家族ができ、幸せな日々を過ごすことになる。しかし、キリには高齢出産の恐れがあり、また、又市には癌が見つかる。そこから物語は、家族のあり方や愛情、生き方を考えさせられる展開になっていく。

評価

東京タワーは、実話を元にした小説でありながら、多岐にわたる人間模様を絡め合わせた作品となっている。物語自体は哀しい展開もあるが、家族の愛情や成長、自立、死生観など人生や社会を考える要素も詰め込まれている。川端康成賞を受賞した作家の宮部みゆきが描く家族は、読者に切なくも心温まる感動を与えてくれる。難点としては、ボリュームがやや多く、一気に読むのは難しいかもしれないが、文学作品としては十分に面白く、一度読んでみるべきであろう。

『東京タワー』は、人間模様に対する深い洞察力と、文学的な表現力を兼ね備えた、素晴らしい感動作である。是非とも読んでみてほしい。


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