概要
「羊と鋼の森」は、著者・宮下奈都による小説であり、2015年に第23回小説すばる新人賞を受賞した作品です。主人公・加治木源太郎が、鉄工所で働く職人たちの生き様や心情に触れながら成長していく物語が描かれています。
感想
本作は、鉄工所で働く職人たちの熱い情熱や、手仕事の美しさを伝えるとともに、人間ドラマを描いた作品です。主人公の源太郎は、ある日不注意から怪我をしてしまい、手を使えなくなってしまいます。しかし、彼は諦めることなく、自身が鍛えた技術や、職人たちとの絆を通じて復活を果たします。
本作品の最大の魅力は「手仕事の美しさ」を描いたシーンにあると思います。著者自身、鉄工所での長期取材を行っているため、非常にリアルかつ丁寧に描かれていると感じました。また、職人たちの言動や行動からは、仕事に打ち込む姿勢や努力することの大切さが伝わってきます。
一方で、私は登場人物たちの心情がしっかりと描かれていると思いませんでした。職人たちの人生経験や背景が掘り下げられていないため、どこか読後に物足りなさを感じました。
まとめ
「羊と鋼の森」は、手仕事の美しさを描いたリアルな作品です。職人たちの姿勢や、人間ドラマを伝える上では素晴らしい作品だと思います。ただし、登場人物たちの掘り下げがないため、作品の深さや強度に欠けると感じました。全体としては非常に良い作品だと思いますが、改善点もあると思います。
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