概要
『君といた時間、それは』は、日本の作家・藤沢数希氏による小説です。雑誌で連載された後、2015年に単行本が刊行されました。本作品は、とある市井の男女が出会い、恋に落ち、さまざまな困難に立ち向かう姿を描いたラブストーリーとなっています。
あらすじ
主人公の友介は、とある本屋で働くアルバイト店員。ある日、本を買いに店を訪れた女子高生・真琴に一目ぼれしてしまいます。彼女の読書する姿や、真面目で誠実な性格に惹かれ、彼女に思いを寄せるようになります。
そんな中、真琴が謎めいた男・梅垣と関わりを持つようになり、友介は嫉妬に苛まれます。だが、時が経って真琴が梅垣からの依頼で彼と一緒にいる必要があることが判明しました。
そして、真琴が彼と過ごす1週間は、友介にとって長い1週間となるのでした。
感想
本作品は、ラブストーリーとしての要素はもちろんのこと、親子関係や、自分自身のあり方など、幅広いテーマを扱っており、深い作品だと感じました。
特に、主人公の友介は自分自身について深く考えるきっかけを与えられる場面が多く、自己の成長を遂げていく姿勢に共感を覚えました。
また、真琴の葛藤や梅垣の謎めいた存在も、本作品をより深い物語性に導いていると思います。
ラストシーンは、納得いくものだったと思います。これまでの物語の流れを考えると、別れとも言える最終章が妥当だったと言えます。
総評
『君といた時間、それは』は、もう数回味わいたいと思わせる作品でした。葛藤や成長、絆など、生きる上で考えるテーマが色々と盛り込まれているので、一つ一つの言葉や描写に心に響きがあります。
作中に描かれる本のタイトルや作者も多彩で、作品に興味を持った方は、その本を読んでみたいと思えるでしょう。
本書は、心の琴線に触れる深い物語で、青春の終わりを象徴するような作品だと思います。是非、一読していただければと思います。
※本レビューは、2021年4月時点の内容です。
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