『ミステリという仕事』

概要

『ミステリという仕事』は、作家・松本清張の自伝的エッセイ集です。松本清張がミステリ作家としての道を歩んできた中での出来事や、作品に込めた思いなどが綴られています。

内容

本書は、松本清張が自身の生涯で培ってきたエピソードや考え方、創作への姿勢が詰まった一冊です。松本清張が作家として生きる上での苦労や裏側なども詳しく描かれています。

特に興味深いのは、松本清張の独自の「三要素説」。即ち、「人間」「環境」「主題」という三つの要素が融合した作品が、真に優れたものであるとの説です。この要素がどのように松本清張作品に反映されているか、具体的な作品の例を挙げて紹介されています。

一方で、松本清張が描く登場人物の多くが冷静な犯罪者たちであることについても、その根底にある思想についての考察があるため、深く読み解くことができます。

感想

ミステリ作家として名高い松本清張のエッセイ集ということで、期待して手に取りました。その期待は裏切られることなく、著者の鋭い思考や創作への姿勢に触れることができました。

また、三要素説についても、松本清張作品をより深く理解するための貴重なヒントになりました。

まとめ

『ミステリという仕事』は、松本清張の生涯と創作への思いを垣間見ることができる一冊です。松本清張の作品を読む上で必読の一冊といえます。

参考書籍情報：『ミステリという仕事』
松本清張 著 / 新潮社