概要
「夜のくもざる」は、2017年に刊行された湊かなえのサスペンス小説です。物語は、現代と昭和の2つの時代を行き来し、過去の出来事が現在に影響を与えていく様子が描かれています。
あらすじ
小説家の佐田一志郎は、過去に起きたある事件をテーマにした小説を執筆中です。その中で彼は、自分が幼い頃に出会った女性と、過去の事件が深く関わっていることに気づきます。
一方、昭和時代を舞台にした物語には、様々な人々のドラマが織り込まれています。事件や裏切り、そして愛など、様々な要素が絡み合いながら物語は進んでいきます。
現代と過去、そして多数の登場人物たちの物語が交錯することで、最後には衝撃的な結末が待っています。
感想
本作は、複数の時代と人々の群像を描くことで物語を作り上げる手法がとても見事です。過去と現在が交錯する物語には、どちらも同じドラマが繰り広げられているような感覚があり、読者は一つ一つのエピソードに引き込まれていきます。
また、登場人物たちが絡み合う独特の雰囲気があり、どの人物も一筋縄ではいかない複雑な心情を抱えていることが描かれています。そして、多数の登場人物たちの過去や関係性が緻密に描かれていることで、最後に訪れる衝撃的な結末に繋がっていくのです。
物語の緻密さに加え、筆者の文章がとても美しいという点も本作の魅力の一つです。中には、心に残るような言葉やシーンが多数あって、2回も3回も読み返してしまいました。
まとめ
「夜のくもざる」は、湊かなえが緻密に作り上げた物語で、現代と昭和の2つの時代を繋げたサスペンス小説です。登場人物の複雑な心情や関係性、そして緻密に描かれた物語の展開には、読者を引き込む力があります。筆者の美しい文章も魅力の一つで、この小説を手に取った人には充実した時間を過ごせること間違いなしです。
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