「ノンフィクション作家が教える文章の書き方」

概要

　「ノンフィクション作家が教える文章の書き方」は、ノンフィクション作家である三浦綾子氏による執筆の文章術の教材書である。本書では、文章における基礎的な考え方や、ストーリー作りのテクニック、表現力を磨くためのトリック等が分かりやすく解説されている。

詳細

　本書では、文章表現において大切な要素である「五感」や「感性」を意識した作り方が重要であるとされている。特に、文章の中での「匂い」や「音」、「温度」等の五感表現を積極的に使うことで、読者にとって文章がよりリアルで身近なものとなると指摘されている。

　また、本書では文章の構成についても言及している。中でも大切なのが「ストーリー性」であり、ストーリーがなければ文章はただの羅列となってしまう。ストーリー作りには、「問題提起」と「解決策」の二つの要素が必要であり、より読者を引きつけるためには、これらを工夫することが求められている。

　その他にも、語彙力の拡張や直接的でない表現方法、視点を変えて見た物事の描写等、個性的で独創的な表現について触れられている。こうしたトリックを利用することで、どんなにシンプルな話題でも魅力的な文章を書くことが可能となる。

感想

　「ノンフィクション作家が教える文章の書き方」は、文章術の教材書として非常に参考になる一冊であると感じた。文章作りにおいての自身の考え方や表現力を磨くための手法が、実際の作家の経験を元に紹介されており、非常にわかりやすかった。特に感銘を受けたのは、五感を意識して表現することで文章がどれだけリアルかつ印象に残るかを詳しく解説されていたことである。本書には、文章作りにおいての何気ない発想や表現のアイデアが満載であり、手軽に実践できるものが多く含まれていた。是非一読してみることをお勧めしたい。