『君の膵臓をたべたい』レビュー

あらすじ

主人公の僕は、自分の人生を映画のように思い描きながら、日々を過ごしていました。ある日、クラスメイトの山内桜良が入院していることを知り、彼女と出会うことになります。彼女は余命があと数年しかなく、自分自身の死に向き合っている様子がうかがえます。そんな彼女に少しずつ惹かれつつ、僕は彼女の秘密に触れていくのでした。

感想

この小説は、タイトルからして何とも絶妙なタイトルだなと思いました。物語の途中で、桜良の病気が明かされるのですが、その病名が「膵臓（すいぞう）」だと知ると、何とも重く言葉が詰まってしまいました。このようなストーリー展開が、この作品を読む上で重要な役割を担っていることは明らかです。

また、語り口の優しさや温かさも半端なく、感動を誘います。物語の中心である桜良と、彼女に心を開いた主人公のやりとりが素晴らしく、感情移入して涙してしまったりするほど印象に残ります。

しかしながら、ただ感情移入して涙するだけの物語ではありません。作品を通して、若い世代に向けたメッセージ性が存在しており、人生の大切さや存在の意味を改めて考えさせられる部分もありました。

まとめ

この本は、タイトルにある「膵臓をたべたい」という、極めて重たい言葉に重きをおいた実に感動的な物語です。作者独自の語り口が、読者に心に刻まれる部分もあるでしょう。最後に、何度読み返しても心がきゅんとなるから不思議です。ぜひ一度読んでみてはいかがでしょうか。

以上が、『君の膵臓をたべたい』のレビューでした。