『ランダム・ウォークの巡礼者たち』書評

概要

『ランダム・ウォークの巡礼者たち』は、バートン・マルキール氏による投資の本です。この本では、投資の助言はできないという前提で、次のような問題について考えます。「プロの投資家に対して、素人が勝てるわけがない」という常識が本当に正しいのか？「自分で管理できるポートフォリオを作ることができるのか？」著者は、投資をテクニカルに捉え、重要でない情報を無視することが大切だと述べます。そして、ランダム・ウォーク理論に従い、市場はランダム性を持っているので、予測や情報収集によって市場を上回るリターンを得ることはできないと論じます。

内容

著者は、投資についての常識を検証するために多くの研究を行います。特に、過去の株式市場データを分析し、ランダム・ウォーク理論に基づいたシミュレーションを用いて、市場のランダム性を実証します。その上で、市場のランダム性を前提とした投資戦略を提言します。

著者は、長期的に安定的な投資収益を得ることができるための投資方法を提供します。4つのポイントは、①支出を減らす、②税金を最小化する、③投資リターンを最大化する、④コストを抑えることです。また、株式投資に限らず、債券、不動産、金融商品や外貨口座などの投資についても解説されます。

評価

本書は、株式投資を中心に、投資初心者にとって非常にわかりやすく、信頼性の高い情報を提供していると思います。ランダム・ウォーク理論を自己主張する本ではなく、多くの研究結果に基づくフェアなものであり、そのような偏見を払拭するのに役立ちます。著者の提言は、説得力があり、実践しやすい方法論を提供しています。

まとめ

本書は、投資初心者にとって最高の参考書の一つであり、ランダム・ウォーク理論の中心をなす名著です。投資において、合理的な意思決定をすることが不可欠であり、市場のランダム性を理解することがより良い結果につながることを、著者は多くの実例を用いて説明しています。これは、投資に詳しい人々にとっても、参考になる内容だと思います。