『草木塔』レビュー

概要

『草木塔』は、現代中国を代表する作家の一人である莫言氏による小説です。中国文学の伝統的なイメージとは異なる荒唐無稽なユーモアを含んだストーリーが魅力で、全体的にシュールな世界観が描かれています。

ストーリー

主人公の王小波は、農村出身の作家であり、彼の周りには奇妙な人々が集まっています。彼の友人である建国は、実は元軍人であり、戦車を所有しており、常に謎めいた言動をしています。彼の元妻は、自動車事故で亡くなり、抗議のために霊界で政府に対して訴え続けています。

物語は、彼らが草木塔と呼ばれるマンションでの生活を送る中で展開します。草木塔は、都市の中心部に位置し、古いビルを改装した建物であり、その怪奇的な住人たちが、現代中国社会の闇を象徴しています。

感想

莫言氏の特徴である、奇想天外なストーリー展開が、本書でも存分に発揮されています。個性的な登場人物たちが、ひねくれたエピソードを繰り広げる様子は、独特な魅力があります。

また、登場人物たちの背景にある現代中国社会への風刺や批評が込められていると思われます。それが、古いビルを改装した草木塔の象徴性を強めていると感じます。

全体的には、莫言氏の作品としては比較的読みやすく、楽しめる作品だと思います。

参考文献:

莫言 『草木塔』 上下巻、新潮社、2001年。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です