「シティ・オブ・ガールズ」のレビュー

概要

「シティ・オブ・ガールズ」は、著名なアメリカの小説家エリザベス・ギルバートが執筆した、舞台がニューヨークのブロードウェイとなっている小説である。1940年代という時代背景の中、主人公ヴィヴィアン・モリスはブロードウェイで踊り手として活躍しながら、人生の意味を模索するグラマラスで独立心の強い女性を描いている。

ストーリー

1940年代、パディングトンのカトリック女子修道院で育った主人公ヴィヴィアン・モリスは、17歳でニューヨークにやってきた。彼女は、叔父に頼まれて裏方の仕事をしながら、ブロードウェイの劇場で働く従姉妹のジーンと暮らす。ジーンは演劇学校に通いたいという夢を持っており、ヴィヴィアンもその夢に共感する。ある日、ジーンが主催するパーティーで、ヴィヴィアンは男と過ちを犯してしまう。その過ちがきっかけで、ヴィヴィアンは劇場の美術監督ビリーとの関係を築き、彼女自身の才能を開花させていく。

感想

ブロードウェイの舞台裏を舞台にした小説は数多くあるが、本作品はその中でも特に鮮やかな描写が楽しめる作品である。ヴィヴィアン自身が独立心の強い女性であることに対して、彼女の周囲の女性キャラクターたちは、時代の制約や男性社会の偏見に苦しみながらも、自分たちの夢に向かって進んでいる。その中で、ヴィヴィアンが示す自己表現やフェミニズム的な姿勢は、読者にとっても共感を呼ぶものがある。

また、本作品は単なるブロードウェイ小説ではない。登場人物の視点が多岐に渡り、時には哀しく、時には笑いに誘われながら、人生の転機に迫っていく様子が細密に描かれている。読み終わった後、登場人物が自らの人生を切り開こうとしていたことが、強く印象に残る。作者の言葉綾や文章のリズムも美しく、読みやすい。

総評として、本作品は小説だけでなく、女性の自己表現や夢の追求、権利向上に関心のある方には特におすすめできる。また、ブロードウェイの夜景や舞台裏に興味のある方も、楽しんで読めること間違いなしである。

参考文献：

1. Gilbert, E. (2019). City of Girls: A Novel (Kindle版). Penguin Publishing Group.