『告白』(湊かなえ)のレビュー

概要

『告白』は、湊かなえによる日本のミステリー小説である。2008年に初版が出版され、その後映像化もされた。物語は、中学生時代に起こったある事件をきっかけに、主人公とその周囲の人物たちが抱える秘密と罪悪感、そして差し迫った死と向き合う様子を描いている。

ストーリー

物語は、転校生の主人公・柊響子が、中学時代の同級生・山本美紀が転落死した事件を調べようと学校を訪れるシーンから始まる。その後、柊は教師として再び学校に戻ってきた元同級生の吉田と再会し、事件について考えるうちに、吉田が美紀を転落させたことが明らかになる。

事件当時の吉田らによる毒気のあるいじめ、美紀らの罪悪感、そして事件の真相に触れるうちに、物語は一気に展開していく。事件に関わる子供たちは、殺しても嘘をつき続けたり、自殺する人物も現れるなど、絶望的な展開が続く。過去と現在の場面が絶妙にバランスよく挟み込まれ、ラストシーンに向けて読者は物語の結末について推測する。

感想

本作は、人間関係や秘密、負の感情の描写が非常に丁寧にされており、心理描写に定評のある湊かなえ氏の代表作の一つとして挙げられる。ただし、非常に残酷な描写も多いため、心理的な負担やトラウマを抱えている方にはお勧めできない。

物語は、あくまで善悪の二分法にとらわれず、事件に関わる人物たちの複雑な思惑やトラウマなど、人間ドラマを強く感じさせる。また、 驚愕のラストシーンは、読者に大きな衝撃を与えることだろう。

総評

『告白』は、緻密な心理描写と、これまでの湊かなえ作品でも垣間見せてきた、人間ドラマの深化が示された代表作である。ただし、ひどいいじめや残酷な描写が多いため、読み手によってはハードルが高いかもしれない。そうした観点からも、湊かなえ氏の作品全体については、読む際には心掛けることが必要である。


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