書籍レビュー：『いとしのピエロ』

概要

『いとしのピエロ』は、村田沙耶香氏による小説です。物語は東京郊外の町を舞台に、ある少女と少年の出会いを描いた青春小説です。

あらすじ

少女の美佳は、自尊心が高く、強がりな性格。ある日、彼女は弟とともにお祭りに行き、そこで出会った謎めいたピエロに惹かれます。彼女はピエロと出会ったことをきっかけに、自分自身が抱える悩みに向き合い始めます。一方、少年の大悟は、美佳がまったく別人であるかのように振る舞っていることに不思議な想いを抱き、彼女に近づくことに。

感想

本作は、青春小説というジャンルにふさわしい、ひと夏の切ない恋物語です。村田沙耶香氏の独特の文体が、物語の世界観をつくりあげています。美佳と大悟が、それぞれ抱える想いが高く詳細に描かれており、読者には、まるで二人の心が手にとって感じ取れるかのような臨場感が与えられます。

また、物語には、ゆるやかに進行する主線に対して、多彩なサブストーリーが散りばめられています。祭りで出会ったピエロの正体や、美佳が抱える複雑な家庭問題に触れたエピソードなどによって、物語に深みが出ています。

独特の文体や多彩なエピソードによって、多様な読書体験が可能となっています。青春小説を読んだことがない方にもおすすめできる一冊です。

評価

★★★★☆

商品情報

• タイトル：いとしのピエロ
• 著者：村田沙耶香
• 出版社：文藝春秋
• ページ数：224ページ
• 価格：1,296円（税込み）