概要
本書は、社会学者の石川治郎氏による分析書である。民主主義が抱える問題を取り上げ、それに対して石川氏がどのように考えるべきかを論じている。
内容
第一部では、民主主義の理念に準拠した政治運動が現実には実現されていないことが指摘されている。一方で、政治において過度な個人化が進行していることも問題視されている。第二部では、経済のグローバル化に伴い、民衆の自己決定が制約されている状況が変化してきていることが論じられている。第三部では、市民社会について論じられており、市民社会が存在しない場合に民主主義が機能しないことが説かれている。
感想
本書は、社会問題について考える上で必読の書だと思う。石川氏が、過度な意見主張に陥らずに、分析的に問題を論じている点が印象的だった。ただ、分析がやや深く、専門的な書き方をしているため、一般の読者には難解である可能性がある。社会学に興味がある人にはお勧めできる。
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