『村上春樹全小説』のレビュー

概要

『村上春樹全小説』は、作家・村上春樹の全小説作品を収録した大型の総集編です。長編小説、短編小説、エッセイ、インタビューなど、村上春樹の多様な作品を一冊にまとめた本です。

内容

本書は、初出・最終稿などの版を問わず、村上春樹の作品全てを集めた総集編です。公式ウェブサイトでも確認できますが、その数は計14冊にも及びます。
長編小説や短編小説、洋書翻訳の際の解説、連載小説、インタビューなど、様々なジャンルの作品が収録されています。
また、本書は村上春樹自身が全作品の改訂・加筆を担当し、単行本刊行時相当の新校訂版となっています。

評価

村上春樹ファンにとっては、必携の一冊と言えるでしょう。初めて村上春樹の作品に触れる方にとっても、節目の一冊として手元に置いておくことで、作品の全体像を把握することができます。
しかしながら、本書は作品の羅列であるため、一冊の小説同様、一気読みすることはできません。また、大型本であるため、持ち運びには少々不便です。
さらに言えば、本書は村上春樹作品の魅力や本質を紐解いた論考や、デザイン的な工夫があれば、総集編としての価値が高くなったでしょう。
全小説作品収録という大掛かりな作業を成し遂げた本書ですが、それだけではなく、「全小説」をタイトルに冠するだけの価値はあるか、と問われる部分があるかもしれません。

まとめ

村上春樹ファンにとって、初めて村上春樹作品に触れる方にとっても、節目の一冊として手元に置いておくことで、作品の全体像を把握することができます。総集編としての価値はあるものの、一冊の小説と同様、一気読みすることはできず、また持ち運びにも少々不便なため、使用する場面に応じて使い分けることをおすすめします。