「東京日記」レビュー

概要

「東京日記」は、日本の著名な小説家、村上春樹が自身の活動拠点となった東京について書いたノンフィクション作品である。2018年に刊行され、登場するキャラクターやエピソードは全て実在するものである。本作品は、村上春樹が東京に対する思いや彼自身の人生観を語った、村上春樹ファンにはたまらない一冊となっている。

感想

私が注目したのは、村上春樹が東京に対して幅広い視点を持っていることだった。本書では、狭い路地から大きな公園まで、東京の至る所に注目しながら、実際に東京の街を歩き回った経験を元に村上春樹が書いている。例えば、渋谷や新宿など、東京を代表する地域の歴史や文化についても詳しく記されている。また、村上春樹自身が以前住み、小説「ノルウェイの森」の舞台ともなった「柏の葉キャンパス」についても複数のページを割いて記述している。

一方で、読んでいて違和感を感じたのは、文章に所々に入れられている敬語や古風な表現だった。特に、男性から女性へのモノローグ表現などは、束縛的であるように感じた。このような表現は、現代的な感覚で東京を描こうとした本書にあまり合わないように感じられた。

感想まとめ

「東京日記」は、村上春樹が考える東京の姿や、東京を愛する人たちへのメッセージが込められた一冊。 個人的には、あまりこだわり過ぎた文化や文書風の表現は邪魔であるように感じたが、詳しい東京の情報や現代社会における村上春樹の意見を知るには、必読の一冊であると思う。