『騎士団長殺し』レビュー

あらすじ

物語の舞台は中世ヨーロッパ風のファンタジー世界。主人公のカーニャは元騎士団長であり、凄腕の剣士。しかし、騎士団長殺しの罪を着せられ、流刑地に送られることになる。そこで出会った少女リタと共に謎を解き明かしながら、自分の罪と向き合っていく。

感想

本作は、メルヘンチックな世界観と重いテーマが混在した作品で、非常に興味深い。物語の冒頭で明かされるカーニャの過去から、一つずつヒントが出されていくため、読者は物語の真相に興味を持ち、惹き込まれる。また、中世ヨーロッパの風景や建物の描写が詳細で、臨場感がある。登場人物も個性的で、それぞれの背景が深く描かれているため、物語の展開に深みを感じる。ただし、終盤に向かうにつれて謎解きが急がされるような展開が目立ち、少し物足りなさを感じる部分もある。

総評

『騎士団長殺し』は、ファンタジー要素と人間ドラマがうまく融合した作品で、一気に読んでしまいたくなる魅力がある。また、絵本のようなアートワークが描かれた挿絵も素晴らしく、物語の世界観を深く印象づける。一つ残念なのは、物語のラストについて、明確な答えが出されなかったことである。しかし、この作品の魅力はそこにあるのかもしれない。定番のファンタジー作品に飽きた方や、深みのある物語を求める方には、ぜひ読んでほしい一冊である。

※本書は、独自デザインのカバーと特典が付いた限定版が発売されている。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です