『寝る前に読むと心がやすらぐ、短編小説集』

『夜桜舞う街』

高校生の卒業式を迎えた恋人たちが、街中に咲き誇る夜桜を見に出かける。しかし、二人が目にしたものは、象徴的な光景ではなく、汚れた現実に直面させられてしまう。心揺さぶられるストーリー。

『パリの部屋』

パリに暮らすアメリカ人作家ジョンと、自身の作品に魅了された若い日本人女性・愛。二人の出会いと、いくつかの運命的な出来事が、予想もしない展開を生む。ヨーロッパ情緒に満ちた、揺れる恋愛模様に酔いしれる。

『誰にも伝えられない恋』

幼い頃からの親友と結婚した女性・さやか。しかし、結婚生活は相性の悪さもあって、うまくいかずにいた。そんな折、かつての恋人と再会し、禁断の恋に落ち込んでいく。夫や周囲から、愛を認めてもらえず、自分の感情に葛藤する主人公の心理描写が見事。

この短編集は、作者の繊細な表現力が特徴的で、読者を物語の世界に引き込む力がある。各作品が、どこか切なく、重苦しいテーマを扱っているのも、著者の作風によるものだろう。一度読み始めたら、どの作品も止まらなくなること間違いなしの、傑作短編集といえる。


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