『ノルウェイの森』

村上春樹著、1987年刊行

村上春樹の代表的な小説『ノルウェイの森』は、主人公のトオルが20代の半ばで人生の岐路に立ち、友情、愛情、死、自殺といった大人になって初めて直面する問題に向き合う姿を描いた青春小説である。

物語は、トオルが青空文庫から届いた中学時代の友人、キズキから手紙が届いたことがきっかけで始まる。手紙には、キズキ自殺したという衝撃的な内容が書かれており、トオルは自分がその時に現場にいなかったことを悔い、キズキの恋人であったナオコと再会する。ナオコと再会したことで、自分と向き合い、キズキの死を受け止めることができたトオルだったが、短くも濃密な時間を過ごしたナオコは再度自殺する。

『ノルウェイの森』は、大学生のトオルや、彼を取り巻く友人たちの人間関係や精神的な成長を描いた青春小説であるが、同時に、自己探求や孤独、死といった哲学的な問題も手掛けた重厚な作品である。村上春樹特有の詩的な表現力が随所に見られ、読者を物語の世界に引き込んでくれる。


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