「羊と鋼の森」レビュー

あらすじ

薬剤師の主人公・森山は、元々音楽家を目指していたが、父親の死により薬剤師の道を選ぶことになる。ある日、東京から小さな町に転居した森山は、近所に住む調律師・金森と出会う。金森のもとで素人ながらピアノ調律の手伝いをしていくうちに、音楽というものに対する感覚が変わっていく。

感想

この作品は、音楽を題材にしたストーリーが展開されているが、それだけではなく、登場人物たちの心情描写や生き方についても描かれている。主人公・森山は、音楽家になる夢を捨ててまで父の跡を継ぐことになったが、その中でも自分自身をどう生きていくかということに悩む。また、金森も職業に対するプライドや家族との関係に悩みを抱えている。そんな登場人物たちが音楽を通じて少しずつ前向きになっていく姿が描かれている。

また、物語は非常に緻密な描写がされているため、深く物語に入り込むことができる。例えば、ピアノの音がどのように鳴るか、どのような音色になるかといった細部まで丁寧に描かれているため、音楽に興味がなくても熱中して読むことができる。

総じて、音楽と登場人物たちの人間模様が織り込みされた作品であり、非常に心温まるストーリーである。音楽好きな方はもちろん、そうでない方にもおすすめしたい一冊である。

参考書籍: 金城一紀『羊と鋼の森』、講談社


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