あらすじ
主人公の高校生・真希は、好きな音楽に夢中で、それ以外は特に夢中になるものもなく、毎日が淡々としていた。そんなある日、ある事件がきっかけで真希は、世界中を旅する男・栞(しおり)と出会う。栞は、様々な人々と触れ合いながら、その場所で暮らし、音楽を奏でる生活を送っていた。交流を続けるうちに、真希は自分自身に気づき、栞とともに旅の中で成長していく。
感想
この小説は、ストーリーの展開がゆったりとしているが、それは栞が巡る旅の風景や、人々との出会いが、丁寧に描かれているからだ。特に、栞自身が話す音楽の魅力には、作者の音楽への愛が感じられる。栞が訪れる場所や、演奏する音楽の種類が豊富で、それぞれに心に残る瞬間があった。また、真希が自分自身に気づき、自分にとって本当に大切なものに向き合っていく過程も描かれていて、「大切にしたいものを持てるように»と背中を押してくれる。
総評
この小説は、物語のテンポがゆったりとしていることから、すぐには手に取りにくい作品かもしれないが、世界中を旅する男と、音楽を通じた交流を描いた作品として、心に残る瞬間がある。また、主人公の成長過程や、音楽愛が丁寧に描かれていることから、物語を通じて自分自身に向き合うきっかけになるかもしれない。音楽愛や旅をテーマにした小説が好きな人には、ぜひ読んでみてほしい。
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