書籍レビュー:『羊たちの沈黙』

概要

『羊たちの沈黙』は、トマス・ハリスが1988年に出版したミステリー小説であり、シリーズの第1作目です。アカデミー賞作品賞を含む、多数の賞を受賞している同名映画も制作されています。主人公のクラリス・スターリングが、精神異常者の行方不明事件を捜査する中で、妙なる恋愛感情とともに猟奇殺人鬼のハンニバル・レクターと接触する物語です。

感想

まず、ストーリーが非常に面白く、読み手を引き込んでくれます。特に序盤は、クラリスがFBI訓練校でのエピソードや事件の現場での描写などが巧みに織り交ぜられ、リアリティにあふれた臨場感を感じられます。また、ハンニバル・レクターの描写にも手法に驚かされます。彼は恐怖や不気味さを持つ猟奇殺人鬼ですが、知的で洗練された教養人でもあるため、切なさや共感をも感じさせます。

しかしながら、ちょっと難解さがあると感じました。主人公のクラリスは、卓越した訓練校卒業者でありながら多くを抱え、苦しい過去と現在を折り重ねながら捜査を進めます。ストーリーの進行は非常にスリリングですが、やや難解な描写もあり理解力に苦しむ場合もあります。それと同時に、猟奇殺人鬼や彼に関係する描写にも、心理的に耐え難いものがありますので、注意が必要です。

まとめ

『羊たちの沈黙』は、巧みなプロット、心理描写、スリリングな展開、難解さなど、多彩な要素が含まれており、様々な読者を魅了します。しかし、猟奇的なシーンや精神的にきつい展開もあるため、こうしたものに対する強い嫌悪感を持つ方は要注意です。読んだ後には、作者の思いや感情が詰まった、興奮と重苦しさを感じ取ることができます。

参考 : 『羊たちの沈黙』(Amazon)


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です