「霧の向こうに続くもの」レビュー

概要

「霧の向こうに続くもの」は、作家・辻村深月によるベストセラーサスペンス小説です。本作は、主人公である若い女性が自分自身に起こる不可解な事件に巻き込まれていく様を描き、読者を驚かせ続けます。

ストーリー

主人公の女性・田辺は、過去に恋人がレイプ未遂に遭ったトラウマを抱えており、それが原因で男性に近寄ることができず、日々うつ病と戦っています。そんな彼女の前に、婚活パーティーで知り合った男性・小倉が現れます。彼とのデート中、突如として田辺を襲う不可解な現象。彼女は失神し、目が覚めると姿を消した小倉を捜索することになります。

一方で、小倉が所属する不動産会社では、莫大な不動産購入資金の流れがあり、その裏側には何かが隠されていることが示唆されます。田辺は、自分が起こる不可解な現象と会社の不穏な動きに何らかの共通点があることに気がつき、事件を追及することになります。

評価

本作は、深い精神性を持つ主人公の心理描写が秀逸であり、また、事件の真相を読者に理解させるスリリングな展開が見事に織り込まれています。一方で、最後の2ページにオチがあるため、慣れ親しんだサスペンスの手法に物足りなさを感じる方もいるかもしれません。

まとめ

「霧の向こうに続くもの」は、深呼吸をして読むべきクオリティの高いサスペンス小説です。辻村深月のシナリオは長く、時間がかかるくらいですばらしいです。読者は、主人公の苦しみや不安に共感しつつ、事件の真相を一緒に解明するスリリングな旅を楽しめます。