概要
『1Q84』は、大ヒット作家の村上春樹が2010年に発表した長編小説です。物語は、1984年の東京を舞台に展開され、同年に似た世界「1Q84」に転移した主人公、青豆と、彼女が出合うイベントプロデューサーの桐原が織り成す愛と冒険の物語です。
ストーリー
1984年4月頃から青豆と桐原の交錯した人生が描かれます。青豆は、名前に「豆」があることに悩み、自分を捨てた父親を見つけるために動き出します。桐原は、業界の壁を打ち破り、新しいイベントを企画するために奔走しています。
2人は出会った瞬間からお互いに引かれるようになり、その後、事件が次々と起こっていきます。青豆が出合った2年前から、日本を覆っていたらしい、空が豆の花の形をした別の世界「1Q84」を介して、不思議な共感が生まれます。2人は自分たちが1Q84にいることを確信し、二人で守り合いながら、色々な事件に巻き込まれていくことになります。
感想
村上春樹の作品は色褪せることがなく、常に新鮮な驚きを持って迎え入れられるものが多いです。『1Q84』もその一つであり、これを読んでいると、現実と幻想の境目が曖昧になってくるような不思議な感覚に陥ります。
主人公の青豆と桐原は、いわゆるラブストーリーに終始するのではなく、お互いに対等に助け合い、切磋琢磨しながらしっかりと自分自身を成長させていくところが魅力的でした。
また、作品全体に渡って、テーマが重厚かつ深遠であり、異世界と現実世界が交わり、人間が抱える愛や孤独、家族愛などが複雑に絡み合って描かれている点も興味深かったです。
ただ、時には長く過剰な描写があったり、説明不足の箇所があったりと、ストーリーに進展を鈍らせる部分もあったので、読みやすさには難点がありました。
まとめ
『1Q84』は、村上春樹の創造力溢れるストーリーテリングと特有の詩的な文体、そして深遠なテーマが織り成す、不思議な世界観が魅力の小説です。ただし、長く重厚なストーリーが趣味ではない人にはお勧めできません。
コメントを残す