はじめに
この度、私は中野信子氏の著書『ヒトの集団行動はなぜ惹かれるのか』を読みました。本書では、人が集団行動をとるメカニズムや、その行動がどのような効果をもたらすのかなどが詳しく解説されています。
内容
著者は、まず集団現象がどのように生まれるのかを、進化心理学や社会心理学の理論に基づいて説明しています。また、人が集団行動をとる理由や、集団が人に与える影響についても分かりやすく解説されています。
特に興味深かったのは、集団行動が個人の行動パターンを変化させるということです。集団の中での行動は、個人の行動と比較してリスクを冒すことが多く、その反面、成功した場合の報酬が大きい傾向があるためです。そのため、個人の行動は集団の中での行動に合わせられることが多いというのです。
また、本書では、集団心理学の分野から見た、集団行動がもたらす効果にも触れられています。例えば、集団行動は個人のパフォーマンスを向上させることがあり、グループが課題を解決する際には、協力することでより良い結果を生み出すことができるとされています。
評価
本書は、説明的な文体で書かれており、集団心理学に詳しくない読者でも理解しやすい内容になっています。また、事例や研究結果が多数引用されているため、エビデンスに基づいた説明がされていると感じました。
ただし、個人の行動と集団の行動の関係性については、「多くの場合」や「傾向がある」といった抽象的な表現が目立ち、より具体的な理論に基づいた説明が少ないように感じました。
まとめ
『ヒトの集団行動はなぜ惹かれるのか』は、集団心理学に興味がある読者にオススメしたい書籍です。個人の行動と集団の行動がどのように関わっているのか、集団行動がもたらす効果とは何か、という問いについて、著者がエビデンスを基に分かりやすく解説しています。
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