『オットセイの愛―シャムの王室物語』レビュー

概要

『オットセイの愛―シャムの王室物語』は、タイの歴史的事件を扱った日本の小説家・津雲むつみによる長編小説である。小説の舞台は、19世紀後半のシャム（現在のタイ）であり、ジャパニーズクールビズで話題になった女性の制服「チャイナドレス」が描かれている。

物語は、1878年にシャム国王であるラーマ5世の次男であるプリンス・チュラロンコンが、イギリス人イサドラと出会い、恋に落ちるところから始まる。しかし、王族としての宿命や権力闘争が恋人たちを引き裂き、悲劇的な結末を迎える。

旧文化に根差すシャムの歴史や文化を丁寧に描きつつ、ジャパニーズクールビズのような現代的なエッセンスを加えた本作は、映像化されることもあり、多くの人々に愛されている。津雲むつみの緻密な語り口やキャラクター造形も素晴らしく、非常に読み応えのある作品である。

『オットセイの愛―シャムの王室物語』は、シャムに根差した物語や文化、そして愛を描いた傑作長編小説である。タイの美しい文化や名所も描かれており、読み進めるうちに物語の世界に引き込まれることだろう。是非、読んでみることをおすすめする。

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