「魔法使いの嫁」のレビュー

1.ストーリー概要

本書は、普通の少女と魔法使いとの婚姻を描いたファンタジー小説である。主人公の高校生、百鬼夜行ちせは、自分を売り飛ばした両親との決別を機に、自殺をしようとしたところ、奇妙な男・彼岸花に助けられた。彼岸花は、彼女を魔法使いに売りさばいた両親の借金を肩代わりして、自分の婚約者にしようというのだ。ちせは、驚きながらも、魔法使いとして必要とされる存在として生きる決心をし、彼のお世話をすることになる。二人は、徐々に心を通わせながら、アイルランドの妖精や、魔女や、妖怪たちと交流を深めていく。

2.キャラクター分析

①百鬼夜行ちせ:本書の主人公。両親に裏切られて自立することを決めていたが、突然現れた彼岸花に操られるままに魔法使いとして生きることを選ぶ。しっかりとした意志と行動力を持ちながら、社交的で人懐っこい性格が特徴的。

②彼岸花:名前は伏せられており、彼が一番の謎となっている。容姿端麗で、前向きな性格。魔法使いの一族出身であることや、何かを狙っていることが示唆される場面も多い。

3.感想

本書の魅力は、主人公ちせと彼岸花の心の交流や、厳格な魔法界に対する小さな反逆、そして幻想的な世界観があげられる。物語は、主人公を中心に捻りがあって展開され、結末も感動的で読み応えがある。魔女や妖怪、妖精たちの描写にも工夫が凝らされていて、脇役たちも個性的で印象に残る。絵も綺麗で美しく、物語によく合っていると思う。全3巻から構成されているので、短期間で一気に読むことができるのも魅力的だ。ファンタジー好きな方には、特にオススメできる一冊である。

以上が、「魔法使いの嫁」の書評です。


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