あらすじ
20歳のトオルは、友人の自殺から1年後、大学を中退し、東京から故郷の神奈川県へ帰省する。彼は大学時代に恋仲だった女性と再会し、彼女との関係に心を揺れ動かせる。しかし、彼女は既婚者で、夫と共に過ごす日々の中で孤独を感じていた。トオルと彼女は恋に落ちるが、やがてトオルは彼女との関係に疑問を抱き、学生運動に参加する友人の影響も受けて、自分自身を見つめ直すようになる。
感想
村上春樹氏の代表作である『ノルウェイの森』は、長編小説として初めて手にとった村上作品でした。青春の情熱と絶望、そして恋愛に揺れる20代の若者たちの心の葛藤を描いた、胸に迫る物語でした。
特にトオルの淡い恋愛模様は、心に染み入るものがありました。彼女の事が好きだけど相手が既婚者であること、友人の自殺に向き合うこと、そして学生運動に関わることなど、トオルは細かく描かれたキャラクターであり、その心情に共感することができました。
また、小説中ほどに挿入される古賀ミドリという少女のエピソードにも感動しました。彼女の物語はトオルの心情の変化とリンクし、物語に深みを与えるとともに、心に残る存在となりました。
村上春樹氏独自の書き方やビジョンには、名作と言われるだけの理由があるな、と改めて思った作品でした。
評価
この作品は、青春小説として、そして恋愛小説として、非常に優れたものだと思います。特に村上春樹氏が独特の書き方で人物の心情を描き出す技術には、圧巻のものがありました。そんな彼の新しい才能とともに、この作品を是非ともおすすめしたいと思います。
以上が『ノルウェイの森』のレビューでした。
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