あらすじ
本作は、小説家としても有名な篠原涼子さんによる小説です。物語は、女性編集者・山根恵子が主人公で、彼女が編集をしていた小説家・大島悠子が亡くなった後、彼女の思い出を綴った手紙が届くところから始まります。手紙を読んでいくうちに、悠子が書いた小説の主人公・西の魔女の存在に翻弄されながら、恵子は彼女の魅力や生き方を知っていくというストーリーとなっています。
感想
本書は、物語の中に物語があるという構造になっており、その描写に秀でている点がとても良いと思いました。西の魔女というキャラクターにも魅力があり、彼女がどのような人物であるか、そしてなぜ大島悠子が彼女のことを書きたがったのかが徐々に明らかになっていく様子が非常に興味深く、物語の虜になってしまいました。
また、篠原涼子さんの文章の書き方にも好感を持ちました。どこかしら情緒的でありながら、それでいて緻密であるという印象を受けました。ストーリーと文章とがシンクロしていたため、読むほどに引き込まれ、感情移入することができました。
総評
本作は、西の魔女という不思議なキャラクターの魅力や、彼女を生み出した大島悠子の人生について描いた物語です。物語の構成やキャラクター描写、文章表現といった点が優れており、非常に読み応えのある小説でした。強くおすすめしたい一冊です。
評価:★★★★★
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