『銀河英雄伝説』全20巻のレビュー

概要

『銀河英雄伝説』は、1982年から1987年にかけて松竹株式会社が出版した金田一春彦の小説シリーズ。全20巻で、SF要素と政治・軍事を軸に、銀河帝国と自由惑星同盟の戦いを描いた作品です。2018年からは、新たにアニメ化され、原作同様に高い評価を受けています。

感想

『銀河英雄伝説』は、宇宙を舞台にした戦争小説ですが、戦争による悲惨さや犠牲者の生々しさが描かれることはありません。戦争をただ肯定することなく、主人公や敵役の人物たちの心情や思惑も描かれ、細やかな人間ドラマとともに、物語の本筋を進んでいきます。

第一部から第三部までは、主人公・ユリアン・ミンツの成長を描いています。彼は帝国と同盟という二つの国の違いを学び、様々な人物たちと出会い、それぞれの思いを理解することで考え方が変わっていきます。人物たちの思惑を知りつつ、戦争に巻き込まれながらも、自分が本当に信じるものを見つけ出すまでの成長の過程が、非常に感動的に描かれています。

第四部から第六部は、主人公たちの戦争に巻き込まれる姿勢が描かれ、政治力に重きが置かれます。舞台となる銀河帝国と自由惑星同盟は、それぞれに独自の政治システムを抱え、両者の立場が交互に描かれているため、物語の進行にも深さがあります。

第七部から第十一部は、両者の諜報戦や内部抗争が描かれます。第十二部から第十六部は、ユリアン・ミンツとラインハルト・フォン・ローエングラムの対立を描いた後編で、政治サスペンスや陰謀描写が印象的です。

第十七部から最終巻までのエピローグ編では、戦争が終わった後の世界が描かれます。ユリアン・ミンツたちが歴史を刻んでいく現場を通じて、戦争の意味や人間たちの行動に対する評価が見えてきます。非常に重厚な内容で、全巻を通じて、物語に引き込まれること間違いなしです。

まとめ

『銀河英雄伝説』は、SF小説として、政治・軍事小説として、人間ドラマとして、どの観点からも高い評価が得られる一作品です。全20巻という長さがありますが、全ての巻を読むことで、作品の深みや奥行きが感じられるでしょう。また、アニメ化された作品もありますので、さらに楽しむことができます。是非一度読んでみてください。

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