『騙し絵の牙』について

概要

本書は、作家・東野圭吾によるサスペンス小説であり、2012年に講談社から出版された。物語は、主人公である画家の若林仁が、偽の絵画をつくりだすという事件に巻き込まれるところから始まる。

ストーリー

若林仁は、画家として名を馳せつつも、長い時間をかけてようやくつくりだした1点ものの絵画が、突如として偽物として疑われることになる。しかもその偽物の発見者はかつてのライバル画家であり、何かと若林を妬んでいると噂されている相模。若林は、自身が偽物をつくってしまったという疑いを晴らすべく、相模の下を訪ね、そして廃屋となっていた別荘へと足を踏み入れることになる。

しかしそこで起こる想像を絶する連続殺人事件。果たして真犯人は誰なのか。偽物はいったい誰がつくったのか。若林は事件を解決することができるのか。

感想

東野圭吾の作品としては珍しく、推理小説として一筋縄ではいかない重層的なストーリーが描かれている。登場人物たちは、それぞれの心理描写や台詞で、深い人間ドラマまでもが織り込まれており、物語をぐいぐいと引っ張っていく。

また、作中に登場する絵画についても、作者がしっかりと調べ上げた上で緻密に描かれており、プロットをより深く理解するためのカギとなっている。

ただ、やや長く複雑なストーリー展開のため、読み進めるのに一定の集中力が必要になってくるかもしれない。それでも、サスペンス好きや東野圭吾ファンには、十分に満足できる作品となっている。

まとめ

『騙し絵の牙』は、東野圭吾らしさというか、サスペンス小説としてのクオリティの高さが光る作品である。それぞれの登場人物たちの裏に隠された秘密や謎が、一筋縄では解決できないサスペンスを生む。また、絵画や美術史の知識がある方は、物語の理解をより深めることができる。長いシーンも、じっくり読むことで楽しめる面白い小説である。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です