概要
『村上春樹全小説』は、日本の人気作家・村上春樹の全43作品を収録した総集編である。初の全集となる本書は、完全収録された作品の数々を読むことで、村上作品の特徴や発展を知ることができる。本書は、単なる小説集ではなく、村上春樹の文学的世界観を理解する入門書としても重宝されるであろう。
詳細
『村上春樹全小説』は、1997年から2018年にかけて発表された村上春樹の小説全43作品に加え、編者の吉田和典氏による解説を含んだ総集編である。
収録作品は以下の通りである。
・風の歌を聴け
・1973年のピンボール
・ヒミズ
・羊をめぐる冒険
・海辺のカフカ
・ダンス・ダンス・ダンス
・世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド
・ねじまき鳥クロニクル
・南極料理人
・スプートニクの恋人
・SFの世界
・音楽と人生
・カフカ・オン・ザ・ショア
・アフターダーク
・1Q84
・色彩を持たない多崎作和の事典
・神の子どもたちはみな踊る
・騎士団長殺し
・散歩する侵略者
・ノルウェイの森
・わたしを離さないで
・兄弟にもらった日本刀
・村上文学館殺人事件
・鹿男あをによし
・町長選挙カフカ
・1Q84 BOOK3
・騎士団団長殺し
・明暗
・風の歌を聴け・羊をめぐる冒険・ねじまき鳥クロニクル
・名探偵の呼び名は獣
・兄に似た者
・村上春樹の地下室
・村上春樹と「神秘主義」の系譜
・村上春樹と「編集力」 -「羊をめぐる冒険」から「騎士団長殺し」へ-
・村上春樹と「アイデンティティ」
・村上春樹と「哲学」
・村上春樹と「類型」
・村上春樹の小説にみる「哀しさ」と「希望」
・村上春樹の「時」と「空間」
・村上春樹と「あやつり」
・村上春樹と「夢」
・村上春樹と「性」
・村上春樹と「ユーモア」
・村上春樹と「記憶」
・村上春樹と「批評」
作品同士には関連性があるものの、総集編としては単体でも楽しめる。
感想
この本は、村上春樹作品を好きになった人にとって、完全収録された小説の数々を楽しむうえで欠かせない一冊だと思う。また、村上春樹の小説を初めて読むという人でも、本書を読むことで村上春樹文学の魅力に触れられるはずである。
各作品に対する解説も付いており、村上春樹作品の理解を深めることができる。解説は難しい内容ではなく、一般的な読者でも理解しやすいのが良い。
総体的に、村上春樹作品ファンならずとも、文学ファンなら読んでおくべき一冊だと思う。
※本記事はあくまでも筆者の個人的な感想です。
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