概要
「1Q84」は、村上春樹による長編小説である。2つの主人公、村上春樹独自のファンタジー世界、細部まで描かれた登場人物たちの心理描写などが特徴である。
ストーリー
主人公の一人、少女の井筒美幸がタクシーから降りた瞬間から物語が始まる。美幸は、周りの環境が違和感を与える世界「1Q84」に迷い込んでしまう。もう一人の主人公、出版業界で働く三十代の男性、桐原巨郎は、美幸を探すために仕事を辞め、フリーの編集者として生きることを決める。彼らが巻き込まれる事件は、人里離れた団地、「小説家になろう」で人気のあるSF作家塩谷泰造、連続殺人事件など複雑に絡み合っている。
キャラクター
美幸は、朝霧カフカの小説に登場する少女に似た容姿を持ち、純粋さと強い意志を併せ持つ。桐原は、美幸に惹かれるも、自分の生き方に疑問を感じる。塩谷泰造は、小説を書くことにのみ没頭しており、人間性が希薄である。
感想
本作は、作品としての完成度が非常に高いと感じた。村上春樹らしい言葉遣いや、ファンタジーながらも現実的な描写、登場人物たちのキャラクターの深みなど、全てが上手く調和している。また、小説家になろうで大人気のSF小説家・塩谷泰造が登場するなど、時代性を感じた要素もあった。ただ、登場人物の台詞が長く、読み進めるのが少し疲れる面もある。それでも、様々な要素が入り組んだストーリーを楽しむのであれば、オススメの一冊である。
評価:★★★★☆
以上が「1Q84」の書籍レビューでした。
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