ハルキ・ムラカミ著、新潮社刊
第一部「4月-6月」、第二部「7月-9月」、第三部「10月-12月」という三部構成になっているこの小説は、二人の主人公の異なる物語が同時に進行していく形式で展開していく。一人は、出版業界で働く女性編集者の「青豆(あおまめ)」、もう一人は、殺し屋である「天吾(あまご)」である。
物語の舞台は1984年の東京。しかし、この世界では日常の些細な違和感が普通に存在しており、実は当たり前の日常ではない異世界に住んでいたのではないかという感覚にとらわれる。
青豆と天吾は過去に出会ったことがあるが、その出来事が二人の物語を繋げるような要素とはなっておらず、それぞれの世界が存在し続ける形となっている。青豆は、突然病気になった父親を探すため、編集部を辞め、フリーの書き手として暮らしていく。一方の天吾は、ある依頼人から、暴力団の借金の取り立てをする仕事を引き受ける。
物語は、周囲の不穏な空気とともに進行していき、青豆と天吾がそれぞれ遭遇する奇妙な出来事が深まっていく。そして、どうやら彼らは「1Q84」と呼ばれる世界にいるようであることが分かってくる。
ミステリーならぬ「ムラカミー」とも称される作風は、独自の世界観を描き出し、読み進めるうちに徐々に引き込まれていく。この小説は、人間の内面を描き出すことで、日常の不思議さや奇妙さを表現している。読み始めると一気に読み進めたくなる中毒性があり、全三巻で1300ページもあるが、読み終えた後には、この世界観から開放されることに寂しさを感じてしまう。
評価
推理小説やファンタジー小説が好きな人には、ぜひオススメしたい一冊である。
感想
「1Q84」は、世界中に多くのファンを持つハルキ・ムラカミの代表作の一つであり、非常に高い評価を受けていることが分かった。私自身もこの小説を読んで、その独特な世界観に惹き込まれた。物語に登場する人物たちの内面が、非常に丁寧に描かれており、それぞれに人間的な魅力がある。ストーリーの進行も緻密で、読み進めるうちに物語の中に没入していくことができた。また、「1Q84」という世界観を表現するための独特の表現方法が使われており、読んでいて非常に面白かった。全三巻という厚さがややハードルになるかもしれないが、時間をかけてゆっくりと読むことをオススメしたい。
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