概要
「人間をどうするか」は、哲学者・福武縁氏によるフランス現代哲学研究書である。著者が20年以上に渡りフランス哲学を研究した成果として、人間の在り方や社会のあり方など、私たちが抱える問題を、独自の視点から掘り下げている。
内容
書籍は全体的に哲学的な文章が多いが、読者がついていけるように、様々なエピソードや物語が織り込まれている。書籍は大きく3部構成となっており、1部は「人間の在り方」というテーマで、2部は「社会の在り方」、3部は「人間と社会、そして未来」で締めくくられている。
1部では、人間が自分自身をどう生きるべきか、前提とすべき価値観について考察される。著者は日本人の若者が抱える「自分に自信がない」という問題に対して、「自己矛盾を認めないことが自信に繋がる」と述べ、一つの生き方として示唆を与える。
2部では、社会においてどうあるべきか、どのような社会が理想的かについて探求される。また、現代さまざまな価値観が生まれた中で、それら価値観をどう受け止めるかについて提示される。例えば、リベラリズムや個人主義を批判しながら、社会の現状や失われたものを振り返り、より人間らしい社会を目指す。
3部では、前2部で探求されたことをもとに、どのような未来を切り開くべきかについて述べられる。人間の在り方や社会の在り方を改善し、歴史的にも未来的にも進化していくためには、常に問題意識を持ち続けることが大切であると説かれる。
感想
本書は哲学的な文章が多く、一般の読者には少し難解かもしれない。しかし、それぞれのテーマについて独自の視点から掘り下げられているため、深い洞察を得ることができる。特に、現代社会において抱えている問題を批判するだけでなく、具体的な解決策を提示する点が素晴らしいと思った。全体的に読み応えがあり、哲学に興味がある人にはおすすめできる一冊である。
評価
★★★★☆
– 独自の視点から深く掘り下げられた内容
– 具体的な解決策が提示される
– 哲学的な文章が多く、一部読みにくい箇所がある
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