『君の膵臓をたべたい』レビュー

あらすじ

少女と男子高校生が出会い、彼女が膵臓の病気を持っていることを知る。彼女は終末医療を拒み、代わりに自分で死ぬと決める。男子高校生はそのことを知り、彼女と共に過ごし、彼女が死ぬ前に成し遂げたいことを一緒にやり遂げる。

感想

この小説は、主人公が恋人を失い、自分自身が成長することを通して、死と向き合う悲しくも美しい物語となっています。

まず、ストーリーの構造について。小説は男子高校生が高校生だった頃の回想録の形式で書かれており、現在がどうなっているかは一切示されません。そのため、終末医療に対する態度の変化や、少女が成し遂げたいことを達成するかどうかは読者の想像に委ねられています。この漠然とした感じが、読後の余韻をより良いものにしてくれます。

キャラクターについては、男子高校生と少女がとても興味深く描かれています。男子高校生は、最初は少女に対して興味があまり持てず、少女の死に向かって献身的に行動するようになっていく。また、少女は非常に自由奔放な性格で、そのことが男子高校生に大きな影響を与えます。2人の成長過程が感じられる良い作品だと思います。

ストーリーのテーマである死に向き合うことは、非常に重いテーマですが、軽いタッチで描かれています。それでいて、読者を深く感動させることができます。この小説は、心が揺さぶられる読書体験を求める人に強くおすすめしたいと思います。

評価

本作品は、ストーリー、キャラクター、テーマ、全てにおいて秀逸な作品です。私自身は、この小説を読んで心が揺さぶられました。この作品の評価は、最高峰である10点満点です。