あらすじ
横浜のイエズス会司祭のセバスチャン・ロドリゲスは、ポルトガルから日本に渡り、キリスト教布教を 担当する。しかし、当時の日本ではキリスト教布教は禁止されており、その布教活動は過酷を極めるものとなる。そんな中、ロドリゲスは消息を絶った仲間フェレイラの行方を追い、日本に渡り、途中で現地のキリスト教信徒たちと協力しながら、フェレイラの消息を探すことになる。しかし、やがてロドリゲス自身も捕まってしまい、苦痛の中で禁教を宣言することとなる。
感想
本書は、キリスト教禁教下の日本で繰り広げられる壮絶な物語である。禁教下での布教活動や信仰の強さ、苦痛の中での信念が描かれ、深い感銘を受けた。また、日本人の信仰についても興味深く読み進めた。原作は長いが、一度読み始めると引き込まれるストーリー展開であり、読書好きにはおすすめである。ただし、報われない結末となるため、気分が沈んでしまうかもしれない。
評価
本書は、歴史的背景を踏まえた物語であるため、細部にわたって丁寧に描かれている。また、登場人物の心の揺れや苦悩も描かれており、人間ドラマとしても充実している。結末が予想外であったこと、キリスト教という特殊なテーマが対象となっていることから、万人受けする作品ではないが、文学好きや歴史ファンには、必読の一冊となっていると思う。評価は4つ星。
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