『積極財政論』

概要

本書は、財政政策を主軸とした日本経済の現状とこれからの方向性について、政治・経済・社会の三つの視点から立場を示しながら、提言を行っている書籍である。

著者は著名な経済学者であり、元復興大臣でもある菅直人氏である。彼は積極財政論という考え方を持ち、インフレ目標を掲げた景気回復策を提唱している。

本書では、まず財政政策に関する日本と世界の現状について詳細に分析し、その後財政政策がどのように経済に影響を与えるのかについて説明している。政治的な問題点、社会的な問題点に関しても触れながら、日本国内の経済発展のためにはどのような施策が必要かを提言していく。

本書は、著名な経済学者である菅直人氏による積極財政論の提唱が非常に分かりやすく描かれている。彼の提唱する景気回復策は、日本が直面している長期低迷状況を打開するために必要不可欠である。

また、本書は、財政政策が経済に与える影響や問題点についても詳しく説明されており、経済学に詳しくない人でも読みやすい作りになっている点がよいと思う。

ただ、著者が政治家でもあるため、一部の提言には政治的要素が含まれているため、必ずしも中立的ではないと感じる箇所もあった。