『海辺のカフカ』レビュー

あらすじ

主人公のカフカ・タムラは、17歳の誕生日に父親からひとこと、「お前は母親の死の責任を負っている」と告げられる。それからふたりのカフカにとって、あらゆるものが変わっていく。

そんなある日、カフカは海辺の町に偶然たどり着く。そこで出会った青年の鳴海とその恋人などと関係を持ち、新たな自分を見つけていく。

感想

村上春樹の作品は、独特の世界観があるため、読み始める前から期待が高まるものだ。『海辺のカフカ』もその例に漏れず、緻密な描写と共に読んでいくとどんどん引き込まれていく。

特に、カフカと鳴海とのシーンは印象的だった。全く異なる二人が出会ったことで、それまでのカフカの心境の変化が表現されているようだった。また、カフカの母親の死についても、徐々にカメラがズームアウトされるように、より大きな意味が暗示されているようだ。

ただ、一方で物語が進むにつれて、疑問や不明点が多くなり、解釈については読者それぞれであることにもなる。しかし、その不確かさも、村上春樹が描き出す世界観の一部と言っても過言ではない。

評価

『海辺のカフカ』は、村上春樹の代表作としても知られている。緻密な描写と共に、飽きさせないストーリー展開が魅力的で、読者が村上春樹の世界観にどっぷり浸れる作品だ。ただ、前述の通り、不明点や解釈の余地があるため、全ての読者がすんなり受け入れられるかは難しいだろう。それでも、読み終わったあとには、深く考えさせられる作品であることは間違いない。

評価:★★★★☆


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