『羊と鋼の森』のレビュー

概要

『羊と鋼の森』は、『のぼうの城』で知られる作家、三浦しをんが2016年に発表した小説です。主人公、高野山極楽寺の僧侶である唯一の鍛冶職人でもある山口周平が、鋼という素材を生かした包丁づくりに命をかける姿を描いた物語です。

ストーリー

物語は、山口周平が小学校のときから師事していた青島先生の死をきっかけに始まります。青島先生は、周平に鍛冶術を教え、彼が熱中していた囲碁も教えてくれました。山口周平は青島先生の教えを守り、鋼を活かした包丁作りに命をかけます。

周平は、極楽寺で僧侶として暮らしながら、伝統ある鍛冶の技術を継承することにも力を注いでいます。彼の情熱的な包丁作りには、周りの人々も引き込まれます。

物語の中で、周平はプロの料理人や、包丁に対する愛情を持った人たちと出会い、鋼によって生まれる美しい形状や、使い込むことで生まれる包丁の味わいを伝えながら、自分の技術を磨いていくという軌跡が描かれています。

感想

本書は、技術の追求と、熱意と努力の大切さを表現する美しい物語です。鍛冶というものがどのようなものなのか、どのように技術を継承し、技術を磨いていくのかを丁寧に描いている点が良いと思います。

また、料理や包丁に対する愛情や、人と人とのつながりの大切さなど、心温まるエピソードがいくつか登場し、読んでいるうちに自然と涙腺が緩んでしまいました。

簡単な物語ではありませんが、読み進めていくことで、周平の姿勢や技術への熱意に共感し、胸が熱くなります。包丁作りに興味がある人はもちろんのこと、技術や職人精神に興味がある人にもオススメの作品です。


投稿日

カテゴリー:

投稿者:

タグ:

コメント

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です