概要
『ソリチュード・クリークの河畔で』は、アメリカ・モンタナ州に暮らすネイティブアメリカンの少女、メルダ(クロウ族)が、西部開拓時代における自分たちの生活や文化を描いた小説である。作家のジェイムズ・ウェルシュ(James Welch)自身、ネイティブアメリカンの血を持つことから、小説の中でも、彼ならではの描写がされている。
感想
私はこの小説を読んで、モンタナ州の荒野に暮らすネイティブアメリカンの人々について、初めて知りました。テレビ番組で見た古い映像と同じような風景が目に浮かびます。この小説には、ネイティブアメリカンが抱える闘いや苦悩、喜びや美しさが感じられ、心に残りました。
特に、メルダの内面の葛藤には、胸が痛くなるほど感動しました。愛する人との離別や、自分たちの文化と言葉が失われていくことに対する深い哀しみ、周りから押し付けられる差別意識に苦しみながらも、彼女は生きる力を求めて一歩を踏み出していく。
まとめ
ネイティブアメリカンの人々の生活や文化を知ることができる本書は、語り口も簡潔で読みやすいため、問題視されやすい差別の問題についての理解を深めるためにも、おすすめの一冊です。写実的な描写をテーマとしており、現代のアメリカ文学においても高く評価される本書は、誰にでも分かりやすく、心に残る物語を描いています。
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