概要
「ファイアー&ブラッド」は、ジョージ・R・R・マーティンの「氷と炎の歌」というファンタジー小説シリーズの前日譚となる書籍である。舞台となるのは、西洋風の王国・ウェスタロスの歴史ある王家「ターガリエン家」。その始祖にして、初代国王アエゴン1世がウェスタロス全土を征服した「征服王」家の誕生から、その生まれたばかりのドラゴンを手にしたことから描かれる。
内容
この本は、ウェスタロスを支配し、三龍騎士が乗るドラゴンが空を飛び交い、コンソメルと呼ばれるパルプ小説のような世界観を描いている。アエゴン1世から最後のターガリエン家当主まで、『氷と炎の歌』シリーズの時代設定よりもかなり前にあたる数百年の歴史を、ターガリエン家の視点から綴っている。
「ファイアー&ブラッド」については、その構成やスタイルに特に注目したい。本書は非常に骨太な本で、キャラクター自体よりも、ウェスタロスの歴史を重視しているため、読み込むのにやや苦労するかもしれない。スタイルレベルでは、一部メインストリームになる場面もあるが、戦闘を中心にしたシーンには特にエネルギッシュであり、そのエキサイティングなプロットが読者を熱心に疑問に思わせるだろう。
感想
短く言えば、「ファイアー&ブラッド」は、中程度以上のターガリエン家ファンにとって、これまでの作品の究極の追加となるだろう。しかし、より一般的な読者にとっては、燃え上がるような想像力、言い換えれば「氷と炎の歌」シリーズの深掘りが必要な時期に、歴史のライブラリーよりも読むのに若干の苦労が必要な本なので、興味を持って読む読者は限られると思われる。
まとめ
「ファイアー&ブラッド」は、広大な舞台と壮大なプロットが魅力の逸品である。しかし、大文字なプロットとウェスタロスの歴史に焦点を当てた創作傑作かもしれないが、小説のためのキャラクター開発や読みやすさに拘束されるようなものではない。だから、幅広い層に受け入れられることは難しく、特に「氷と炎の歌シリーズ」が気に入っていない人にとっては、より手頃な代替策があるだろう。
コメントを残す